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2008年9月

あきのあお

夏の蒼が秋の青へ

パステル絵の具を撒いたような
明るく ちょっとポップな

広げたフトンで
大きく深呼吸
秋の匂いはちょっと土くさい

まだ緑だか茶色だかわからない
隣の家の木は
いったいなんて名前だろう
大きくて広がっていて
でも
空に手を伸ばすよりも
土が恋しそうな木

そういえば
夏は あの木から
草の青い匂いがしたんだっけ
それとも
庭から

もうすっかり匂いは乾燥して
少しカサカサ音がするんだ
おかげで部屋の中まですっかりカサカサで
フトンは乾くけど肌もガサガサで
ついでに咽も水分足りない感じで

こうやって年をとっていくんだ
なんて感傷に浸ってみるのも秋だから

腐っていくのと乾いていくのと
同じ死んでしまうならどっちが良いだろう

どちらにしても
夏の青い匂いにさえ
ならないのだ
けれど

きのう掃除をしていたら
十年前の秋の写真が出てきて
思わず笑ってしまったのは内緒

十月なのに
なんて夏っぽくて暑苦しいんだろう
いまも そうだったら  嫌だなぁ

秋は秋らしく
枯れ始めたなら
せめて華麗に

土の匂いのように
土に還るように

秋の青は

少し懐かしく


  淋しいくらいでちょうどいい

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ネット開通

通常営業?に戻りました

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引越しにつき

1~2日程度ネット不通です。

悪しからず。

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フリー詩紙片「砂時計に浮かぶ月」trial issue vol.1

この度、ダウンロード用フリー個人誌紙片「砂時計に浮かぶ月」をアップしてみました。

ネットに置かれているものを印刷して読む人も多いだろう、と思います。

でもBlogのエントリーを印刷しても読みづらいですよね?

そんな安直な理由で作ってみたPDF形式のものです。

A4一枚のお手軽サイズ(?)

この紙片用に書き下ろした未公開詩3篇です。

気になった方はダウンロードしてみてください。

「砂時計に浮かぶ月」trial issue vol.1 ダウンロード(104.1K)

もしダウンロードされた方がいましたら、

コメントなりメッセージなり、匿名で構いませんので「ダウンロードしたYO!」と教えてもらえると、

次回もあるかもしれません。

テスト的にやってみたものなので、

需要がなければまた別のことをやろうかな、と。

なお、PDFファイルなので、無料ソフト「アクロバットリーダー」が必要です。

お持ちでない方は下記よりダウンロードしてください。

アクロバットリーダー

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「金魚姫」

どうやらここがとてもとても明日で

透明なはずのここは鈍く曇っていて

上を見上げればちょっと青みがかっていて

(水槽だよな)

なんて

ぼんやりしてみたりもする

息苦しいのはきっと酸欠だから

酸素ボンベでも投げ入れてくださいご主人様

と祈るはずのご主人様はどこのだれ

不条理が条理であるようなここは

飼い主の姿さえ見せてくれない

(写真くらいはあるかもね)

と小石の裏をひっくり返してみても

何も見つからない

縁日で売られていたときの可能性は

ここではもう余命を数えるほどに狭められ

それでもとりあえず食べることが大事だから

せっせと飼われている

(哀しい)

という感情はいつしか消え

女工哀歌か蟹工船か

そんな言葉もいまとなっては教科書の中の話で

リバイバルとか歴史は繰り返すとか

なんでも理屈を付けたがるのは悪い癖

金魚な自分にとっては何の意味もない

理屈は助けてなんてくれないのだから

見えない硝子の壁にぶつかるように

今日も自動ドアに気づかずにぶつかって

また一つ笑い話を作ってしまうほど

ひらひらと軽やかに(見えるように)生きて

綺麗でもなく高くも売れない金魚を買ったここは

いまごろ後悔でもしているのだろうか/飼い主

(パクパク パクパク)

酸素が足りない金魚

酸欠はいろいろと体にも頭にもよくないらしい

だからかな

詩なんてものを始めたりもする

水槽の中が溶けたインクで濁っても

止められない

尾ひれも胸びれも傷ついてボロボロだけど

赤や黄や白や

色とりどりに見せかけてもいるけど

金魚は金魚

長い間交配を重ねて作られてきたように

きっと買い主に都合が良いように

いつの間にか作られてみたのかもしれない

そしてやはり金魚のように

買い主に価値があるものはなかなかできないのだから

縁日で売られるくらいになると相当に価値が低い

だから詩なんてものを書いたりする

(君は詩的を私的と誤解していると指摘してくれた君)

そう

そんなことは気づきたくもない

金魚な自分はいつまでも金魚なのだから

せめて水槽の中くらい

自由という檻の幻想を見てみても良いじゃないか

それが夏の終わりに消えゆく夢だとしても

消え去り際が泡のように美しくもないとしても

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「無力にして鋭利 それは重い鈍痛として」

世界でもっとも無力でもっとも鋭利な武器
言葉をもって 詩をもって
何をする

綺麗事を書き連ねるつもりもなく
シャンデリアは宮殿の奥へと封印し
救済したいとか共感してもらいたいとか
大仰な嘘大げさ紛らわしい
ことをしたいわけでもない
クライストにはなりたくもない

散文的な素養があるわけでもなく
先人の学があるわけでもなく

 -それで何を書く-


対峙した世界の向こう側に
抉りこじ開ける力を持って

詩を書いてて楽しい?
と聞かれてどう答える

そもそも答える必要があるのか
答えなど必要なのか

あらゆるものを数字に還元し
分解していく世界で

これでさえ
こうしてデジタルに溶解していくというのに
むしろ
アナログにすることさえも困難であ
るのに

理知的な遊びをしたいわけじゃない
この武器は遊びじゃない
というほどの気概があるのか
問題は別にある

(問題?)


革命も闘争も化石と化し
歌詞が仮死を迎え
それでもなお放出される武器は
果たして何をもたらす

どの言葉が当たるのか
ロシアンルーレットでもしているつもりか
くだらないつまらない
ごっこ遊びじゃない
そんなことをしたいわけじゃない

空を突き刺す電柱を這う
混線した電線のように
突き詰めることが
突き放すことが
突き落とすことが
突きつけることが


世界と対峙している
それは幼稚にして無力な武器
だからこそ
可能性の胎児

閉ざされた口を
四肢に変えて
放たれる
化膿性の

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「夏の終わりの終わりに」

無機質な温もり
の夏が終わる

今日も何もなく過ぎていき
変わることなく壊れていく一日

鉄とガラスとコンクリート
で出来た城が崩れる

今日も何もなく過ぎていき
代わることなく壊れていく私

そういえば
縁日で買った金魚はどこにいっただろう

水槽代わりの保冷箱は
陽光に晒され

三毛斑の猫にでも
いたずらされているのかもしれない

どうでもいいことが
走馬灯のように巡り

脳内麻薬のアンバランスが
知的を痴的に置換する

照り返しがキツイ
無機質な夏が終わる

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「語群探知機」

消費のエスカレーションが混沌とする夜
言葉もまた例外ではなく
鋳型で生産され無闇に消費され
資本主義万歳 であるような夜
漁火を灯し 沖合いへ
地図もなくあても無く探す
群れ集まる言葉を捜して

やがて消費し尽くしてしまうとしても
豊穣な言葉の海から
傷つけないようにやさしく 力強く
群れを誘い込み 引き上げる
烏賊のように釣り上げる
または異化した
それとも易化した
はたまたイカした言葉を吊り上げる

誘蛾灯に集まるように群れていく
「あ」
「い」
「う」
「え」「お」
愛餓え男?
ちょっと寂しい
売れてしまわず 蒸れてしまう  言葉
うっかり蒸し加減を間違えると
無視されてしまう
消費者は厳しい
虫であれば 黙殺されてしまうことも
ああ無情 諸行無常
夜の海は霧が降る
言葉は変化し流動化する

確かなものの一つとしてない海原で
手ずから灯りを掲げ
海図の無い航海へ
宝などどこにも無い
息をするように
手探りで 言葉を探す
それが消尽してしまうとしても
群れ集う「それ」に溺れて

釣られる言葉はオリジナルなどなく
複製と加工の産物として送り出される
買われるために 売られるために 捨てられるために
言葉の複製
刻まれるDNA 傷だらけのDNA 複製のエラー
変異することで生まれる創造
または偏移して表情を変える連なり

  見つからない語群の反射波
  それを探す旅
  深呼吸で肺を満たすように
  胸いっぱいの言葉を
  それともお腹いっぱいの言葉を
  語群を見つけ
  言葉をゴックン

哀しいかな
詩はお腹を満たしてくれない

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