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文学フリマ④ 木下奏さん「overturn boat the pool」を読んで

例によってへっぽこ人間の感想なので、スルー推奨であります(笑)
本作は2作目の詩集ということで、順逆がおかしいのですが、まぁ気にしない。
(1作目も買っていますが、こちらから読んでみました)

括ってしまえば携帯世代の詩人、なのだろうと思うのだが、
そうやって括ってしまうことには抵抗があるので、括らない。
お若いので、いろいろな意味でデジタルな世界にも親しんでいることはわかる。

正直な話、こちらはこちらで、骨が折れる作品達。いろいろな意味で。
森川さんのように頭脳的な攻め方ではなく、
もっと肌感覚とスピード感で攻めてきている感じ。
そういう意味で、携帯世代とか言われたりしそうではあるが、
決して浅薄なわけではないので、この言葉に騙されてはいけない。
むしろ、その感覚こそが多様な表現を生んでいるし、
日記の垂れ流しのようなものとは天と地ほどの差がある。
詩を書き始めて1年ほど、ということなのだが、正直凄いな、と思う。
自分は何年やっててこれなんだ、と(苦笑)

英文字(英単語)が効果的に使われているのも特徴的だけど、
ふっと読んでいくと引っかかってしまうこともあるので、この辺りは好き嫌いが分かれそう。
それと、良くも悪くも女性的感性が発揮されてもいるのも特徴的なのだが、
だからといって、いやらしい発揮のされ方ではなく、あくまで感性的な部分だと捉えた方が良いかもしれない。

個人的には、
「この街のありとあらゆる鋭角を独り占めにするために」
「酸欠 THANKS」
「浮遊を具現化する、にちじょうのうらで」
あたりが好きなのだが、どれも個性的な作品なので、このあたりも好き嫌い分かれそうではある。
「潜水」などは第16回詩と思想新人賞第一次選考通過作でもあるようだ。
良し悪しというよりも、感覚的な部分での好き嫌いが先に立ちそうな雰囲気もあるので、
その辺りで得をしたり損をしたり、ということも、もしかしたらあるかもしれない。
全体として、どれもリズムよく書かれているので、読んでいて気持ちがいい作品で、
全部で三十一篇と、ボリュームも満点で、詩集としてはお買い得感満載。
どれか一篇はお好みのものが見つかるに違いない。
ただ、リズムよく読んで言ってしまうと、けっこう個々の詩篇の本質を見落としてしまいそうになるので、
その辺りは要注意。軽そうに見え、軽そうに読めるけど奥は深い。

ハミングしながら笑顔でワナを仕掛ける。
作品にはそんな小悪魔的な一面もあるのかもしれない。
ともあれ、現代的な肌感覚とデジタル感覚、そして軽やかな表現と深い意味合い。
侮れない詩集なのは間違いない。


ちなみに、彼女は自称ポエトリーライターとのことで、
肩書きの意味はよくわからない部分もあるのだが、
きっと彼女は肩書きで勝負をする人ではないと思うので気にしないことにする。


木下奏さんのblog「ブログ・キ・カーデ」
感想を読んでもらっての感想※実は7月からリンクを貼ってあったりしますので、もう訪問した方もいるかも。

AMAZONで「overturn boat the pool」をチェック
※アフィリエイトじゃないので遠慮なく。

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