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2009年1月

「ひとのきかん」

発せよ記せよ ことば ことば ことば
口唇のぬめりを 指先のしなりを 以って

意識の解体が世界を懐胎し 生れ落ちた ことば

語れよ残せよ ことば ことば ことば
眼球の視矢を 土踏まずを 以って

人 ひと 一 再編し再生し 育ち熟れた ことば


聳え立つ摩天楼の揺らぎに
影を添える月に似て
詩は人の器官として世界を捉え
鏡面として映す

神経の高速道を神速で飛ばし駆け巡り
温泉のゲルマニウムに身体が浸かり湯巡り
あらゆる事象を切り取り
現前へと移す

生と死の対角線上に線分を引き
聖と詩を二分する等分を探し
机上の天地創造はまた
人の期間の有り様

かつて踏み締めし足を以って
人となり展開し転回した天界の矢が
火と共に人を失わせた歴史に
詩を以って槍とし死を以って盾とす

ひとふたまるまる
ロンドン塔が正午を指し示す時
豊穣なることば を以って
人は人へと還る
詩は再び世界を拓き

人の帰還が始まる
世界を呼吸するために

詩を
気管とし
器官とし
帰還が始まる

発せよ記せよ語れよ残せよ
ことばを掲げる炎として
火との奇観に歓喜の歌を

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小集 「夜巡り」

陽の光指のフレームに切り取ると世界は消えて残る面影

携帯を開いては閉じリズム取り鳴らない音に膝が震える

夜道さえ静かならざる都市だからせめて黙って紫煙燻らせ

向こう側テレビに映る鏡像に問いかけてみよ 生きる何者

笑い声交じらぬ耳には耳障り十歩離れた身は目障りで

こころ剃髪からだ暴発 空回り踊る阿呆を見る阿呆

ハリネズミ目にはシャッター心に壁を スクランブルで立ち竦む葦

指踊り黒鍵だけで弾き語り夢無き舞台が塗り潰されて

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阿部嘉昭さん「昨日知った、あらゆる声で」を読んで

ロクに詩も書かずにこんなことばかり書いていてどうなんだ、とは自分でも思うのだが、
とにかく昨年後半からやたら詩集を買いまくったせいで(といっても15とか20だが)、
いくつか気になったものをどう気になったのか書き留めておかないと忘れそうなので、こうやって書いているわけです。
まぁ例によって素人による素人評(?)なので、スルー推奨は変わりません。

で、今回は「昨日知った、あらゆる声で」なのである。
ああ恐れ多いったらない。
阿部嘉昭氏である。
もともとは「少女機械考」あたりから読んでたりするので、サブカル方面の評論家といった印象が強い。が、詩はまた別だったりもする。
あ、サブカルとか言われて敬遠したい気になった人は一度同書を読んでみることをお勧めする。判断はそれからだ。

さて、前置きが長くなったが、本題はこれからだ。

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「雪々」

降り
積り

覆われ
隠され

雪々
深々

町は侵食されてゆく

人々の歓声
犬の遠吠え

アラユルモノを包み
優しく 冷たく

結晶はやがて
溶け 流れ 消えゆき

東京タワーを霞める
朝靄を呼び覚ます

富士は見えるだろうか
頂に目深く被ったそれは

夢心地のうちに
町は元に戻り
営みに目覚ましが鳴り

何事も無く今日が始まる

知らず
分らず

過ぎてゆく白い世界

陽光に輝くことなく
闇に紛れ形作られ   ひっそりと失われる

世界
 せ かい


  ユメウツツ
 ソウウツ ツ


 セツ
  セツ
 ユキ
   ユキ

 窓越しの通りに足跡ひとつ


  珈琲の香りに湯気立ちこめて


  深呼吸
   寝呼吸

 ヒトヒトユキユキコノユビトマレ

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アンソロジー詩集募集のおしらせ

アンソロジー詩集の募集が始まっています。

iPプロジェクト09年春期分募集概要

ご興味のある方は参加してみてはいかがでしょう?
(編集等には自分は一切関わっていないので、自己責任にてお願いします)

自分は08年秋期分に参加しました。
AMAZONで見る

今回は思うところがあり、まだ参加するかどうか決めあぐねています、はい。

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「脳メタボ症候群」

「烏がね、太ってるんだよ。ありゃぁ肥満だね。うん。間違いない。食べすぎだよ。それでさ、ぎゃーぎゃー啼いてるわけ。まだ足りないのかねぇ。頭良いって言うけどありゃぁ馬鹿だね。うん。間違いない。俺は一銭だって持っちゃいないんだから。啼かれたって困るんだよね。まぁ肥満の烏にあげるエサは無いけどさ。こっちだって食うに困ってるんだから。うん。でもね、不思議なんだよね。財布が痩せてるからジャンクばかりになるんだけど、それでも太るんだよね。うん。腹いっぱい食べても太るし、ひもじい思いをしてても太るし、なんだろうね。でもさ、あれなんだよね…」

そんなとりとめも無い話が延々続いている坂道の先に
一本の大きな木がある家が見える
誰の家だか知らない
あそこの住人も太っているのだろうか

「…でさ、そういうわけで、よろしくね」

さて、何を頼まれたのだろうか
聞き返すのも億劫なので、とりあえず「そういうわけ」らしいのでよろしくされておこう

烏は変わらず、丸々と肥えている
肥えて肥えて
烏の脂肪肝なんて笑い話にもなりゃしない

赤茶色した枯れ葉が舞う坂道の先に
大きな家が見える
あれ?大きな木だっけ?
ああ、木の大きな家だっけか?
脳肥満も困ったものだ
情報過多で感情過少で
ぎゃーぎゃーと啼いているだけで
聞いたことさえ覚えちゃいない

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