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「Light the light」

東京タワーに陽が刺さる時分に煌々と輝く
窓から漏れる明かり 色とりどりの街灯 魅惑のネオン
徹底的に破壊的に光の砲撃は闇に報復する
茜色の夕雲はつかの間の闇の扉であった
それは遠い遠い昔話
おじいさんとおばあさんがいて二人がおじいさんとおばあさんの物語を孫に聞かせていた頃の話
蒙を啓くと称して夜を切り裂き始めた頃暗黒時代が終わりを告げたのは
名前付けだけではないのだろう

南満州鉄道に急行が走り、九州に戦後初の急行気道車が走り、高度成長の夢の超特急が東海道を走り
そのいずれもが「ひかり」と呼ばれていたことも今は遠い昔話
ひかりひかりひかり いつの時代も「ひかり」は進歩の象徴
あらゆる場所を光が覆い尽くし四方八方から浴びせられるそれはいつしか影を消してしまった
鏡すら無い時代 自分自身を見つめるもっとも原初の闇=影
それすらも見出すことは難しく 目映さ故に眩暈さえ覚え ワンワンと頭蓋の奥にこだまする
ノイズが狂わせるシナプスの光は心地よい誘惑とともに闇を忘れ
   ひかりとこだまが時空を切り刻み始めた頃 この島の夜も絶えていった

車窓を過ぎ去る田園はテレビに映るそれを変わらず
照らし出された深海からは発光の抗いが消え
アポロが月に置いた反射板は地球と月の間を光で貫き結びつける
知らないことは恥ずべきことであり口を開けばググレと蔑まれ
光の速さで世界中からインフォメーションを掻き集め
その中にはアポロが月に行かなかった話もあるわけで それは現代の御伽噺
知らない分からないことを光で照らし構築された妄想の砦
  きらりと光ることもない都市伝説の成れの果て

展望台から見渡す一円の東京は点点と、しかしあらゆる光で塗り潰し勝利の狼煙を上げる
闇を捨て嬉々としてあらゆるものを照らし照らされてゆく一日の終末
全てを見透かし見通し理解し把握するための白光は 高架下の駐輪場さえも陽光を浴びる菜園と見紛うばかり
目も眩み立ち眩み一歩進むことさえも困難な都市の回廊を彷徨い立ち止まる
身体を突き抜けるヘッドライトの群れに襲われ気怠い熱気を纏い
ホワイトアウトしていく夜に立ち竦み
僅かに生気を漂わせるのは足元で円を描く下水臭いビーグル達だけ
  眠ることも休むことも許されないアイアンメイデン


Light the light.
The dark is killed.
The all of the world is covered with the light.
We obtain the right
Of the light.
Called, called, and called!
The light shouts and the light is shot.
After frenzy, the light requests the dark.

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