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詩「生きてまた死に逝く墓標で」

蝉の声が絶えて久しい
今年も夏が過ぎ、またいくつかの台風と暴雨が忘れられていく
 
雨の日は図書館がいい、集中できるから
とは数少ない友人の言葉
まるでゲームかアニメのように
黒ぶちの丸メガネをかけたセーラー服で呟いていた
 
果たして学生とは
希望も不安も他所に
生に満ちていた
 
翻って今はどうだ
30年を過ぎ、何もせずに過ぎ行く日々
緩慢に迎える死

耐えて輝く蝉ではなく
もはや抜け殻を保存するように
数十年の先を無為に流す

それでいいのか
それがお前の望みか

問われ自問し答えなどなく
ただ季節外れの空調が響く
 
活字こそが知の源泉だと
信じた日々は遠く
いまや得るものとてない惰性こそが
この書の廃墟を形作る
 
何を視る
何を知る

諦観という名の台風の目に
惰弱な脳とて安逸を得て
ただ老い逝くだけの肉体を
恨みこそすれ省みず
 
何を遺す
何を示す

ありもしない期待を望み
ありもしない能を望み

悔いるほどの何ほどもなく
アルコールとニコチンに溺れ

ただそれを望むのか
それともそれに甘えるのか

ルソーもピカソも遠く
漱石ユートピアは満州に消え
そんなことさえも気づかずに
何を描く、何を語る
 
所詮言葉は記号でしかなく
記憶は欺瞞でしかなく
記録は残骸でしかなく
 
ただネクタイに追われ
また家事に沈み
何を騙るか
何を識るか
 
ただ息をし
ただ視を向け
ただ歩き
ただ止まり
 
夏は終わり
祭は終わった
 
流されることなく
止まることなく
 
何を視
何を変える

知の墓標たる図書館に
今日もまた訪れる者一人

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